2009年10月下旬、蔵元にはじめてお伺いしました。
今年の新米での仕込みがはじまっており、蔵内の方々は忙しそうに働かれてました。



  府中誉さんはかつて常陸国府がおかれ、”府中”として栄えた町に安政元年(1854年)創業。
  酒名は、そこからとられたそうです。
  全国でも有数の米づくり地域と知られる茨城の中央部に位置し、筑波山の花崗岩質の筑波山系の湧水「府中六井」にも
  恵まれています。
  伝統ある蔵元らしい建物(主屋・長屋門・文庫蔵・穀蔵・仕込蔵・釜場・舂屋-つきや-の計7棟)は石岡市文化財に登録されて
  います。




↑精米機のある建物         

          精米機(高さ8mくらい?)→



 府中誉さんの代表取締役であり、杜氏でもある山内社長の案内で蔵内を見学させていただきました。

 まずは精米機での米の磨き。
昔ながらの土蔵造りの天井の骨組みにまで食い込むほど大きな精米機が稼動してます。
 食べる米とは違い短時間で精米できません。
清酒用の精米は米が熱を帯びないように、石臼が回っている脇を何千回もすりぬけながら数十時間かけて磨きあげるそうです。

磨いたときにでる米の粉も袋詰めにされており、これはおせんべいなどの原料となるそうです。はじめは茶色がかっていますが、芯に近づくにつれ真っ白になってきます。
米を磨けばみがくほど白くなります。(高級せんべいができます〜♪)


次に案内されたのは洗米等を行う建物で、足の裏を消毒液につけてから入室させていただきました。

磨いた米は中の水分が不足してます。その水分を補うべく、布袋に詰めた米を秒単位で水につけて、あげて休ませて・・・を繰り返し、理想の水分量に戻します。
作業場には大きな桶に水がはってあり、ストップウォッチで正確に時間を測ってます。米の磨く比率に応じてその時間は違ってくるそうです。

 真剣勝負の作業中は、見学している私達にもその緊張感が伝わってきました。
府中誉 仕込

最後に、仕込みタンクのずらりと並んだ建物に案内されました。

麹をつくるための麹室は、温度と湿度が一定に保たれています。高温多湿の真夏の日本のじめじめとした暑さを感じるのかと思っていましたが、実際は温度は高く設定されていますが湿度は低く、とても快適だそうです。
(よく、蔵人の男の方が裸で湯気もうもうのなか仕込んでいる映像などを目にしますがあれは、ほんの一部の作業)

麹室を出た生まれたての小さな子供麹たちは、わざと寒く厳しい環境に置いてきたえ、麹の芯までたくましく育てるそうです。
それから、小さなタンク、量を増やして大きなタンク、本番の仕込みタンクへと段階を上がらせ、その間も、温度の調整や発酵具合など様々な気を配り見守り育て上げてゆくのです。

「子供が幼稚園から小学校、中高学校とあがっていく」

と社長がたとえておっしゃいましたが、まさにその通りで、酒造りはただ酒を”造る”のではなく、”育て上げる”というのにふさわしいと思いました。


府中誉 酒蔵タンク
府中誉 店内
  蔵元の酒造りに対する愛情、情熱をじかに感じられ今回もまた、とてもいい勉強になりました。

  一点の妥協も許さない蔵元で作られる酒は、代々受け継がれながらどの時代でも愛される酒と
  なるのでしょう。

  明治から昭和初期に使用されていた、幻の酒米「渡船」を復活栽培し、醸造された清酒「渡舟」も
  順次入荷予定です。
 
  うまいお酒をお探しの方、ぜひ一度お試しください。



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